私は1日1冊の本を読んで、ブログに感想を書いています。
ジャンルは特にこだわりがないので、ラノベでも、純文学でも、ミステリー小説でも、なんでも面白そうな作品ならば読んでいます。
「探偵はもう、死んでいる。」がアニメ化されるので、今回はBOOK☆WALKERの読み放題作品ではなく、BOOK☆WALKER内で購入した本を読みました。
二語十さんは、第15回MF文庫Jライトノベル新人賞・最優秀賞を受賞し、デビューしました。
2021年5月時点でシリーズ累計発行部数は50万部を突破し、2020年3月には『ラノベ好き書店員大賞2020』文庫部門大賞を受賞。『このライトノベルがすごい！2021』では、文庫部門で第4位、新作部門で第3位にランクイン。
今回の記事は、「探偵はもう、死んでいる。」の1巻の感想ブログです。
あらすじ
《最優秀賞》受賞作。これは探偵を失った助手の、終わりのその先の物語。
引用元:BOOK☆WALKERより
第15回MF文庫Jライトノベル新人賞《最優秀賞》受賞作
「君、私の助手になってよ」
四年前、地上一万メートルの空の上で聞いた台詞から、俺と彼女の物語は始まり——終わった。
俺・君塚君彦は完全無欠に巻き込まれ体質で、謎の黒服に謎のアタッシュケースを持たされたあげく、ハイジャックされた飛行機の中で、天使のように美しい探偵・シエスタの助手となった。
それから——
「いい？ 助手が蜂の巣にされている間に、私が敵の首を取る」
「おい名探偵、俺の死が前提のプランを立てるな」 俺たちは、世界中を旅しながら秘密組織と戦う、目も眩むような冒険劇を繰り広げ——
やがて死に別れた。
一人生き残った俺は高校生になり、再び日常というぬるま湯に浸っている。
なに、それでいいのかって？
いいさ、誰に迷惑をかけているわけでもない。
だってそうだろ？
探偵はもう、死んでいる。
【電子特典！書き下ろし短編付き】
感想
タイトルの通り、名探偵のシエスタは、死んでいる。
メインヒロイン不在で物語が進んでいく。
メインヒロインがいないままで成立するのかと思ったが、冒頭の一文が作品に引き込まれた。
夏凪渚の言葉には力があります。
「君塚あんた、もういっぺん言ってみろ！偶然だって？この再会が偶然だって？ふざけるな！この再会を、偶然なんて、そんな天任せで無責任な言葉で片付けるな！これは思いだよ！あんたと三年一緒にいて、死んでもなお、あんたと一緒にいたいと願ってた、この小さな心臓のただ一つの願いだよ！ずっとあたしは、この心臓は──君塚君彦、あんたを探してたんだ！もう一度あんたに会うために……そのためだけに！それを、それを……ただの偶然なんて言葉で終わらせるな！人の思いを、馬鹿にするな！」
引用元:探偵はもう、死んでいる。の一部抜粋
シエスタの思いも代弁するかのような言葉が胸に突き刺さり、感動を覚えました。
コメディー感もあったから、ギャップが激しくて、感動したのかと思ったが、読み進めるうちにそうではないと感じました。
他にも胸に突き刺さる言葉があったからです。
「あたしは死なない。あんたを置いて勝手にあたしだけ死んだりなんて、絶対しないから」
引用元:探偵はもう、死んでいる。の一部抜粋
シエスタに置いて行かれた君塚君彦のことを思っての一言なのだろうけど、救いにもなる言葉だと思います。
断言できるところも凄いところでもある。
「あたしたちね、この件が無事に終わったら海に行く予定を立ててたの」
引用元:探偵はもう、死んでいる。の一部抜粋
「つまりは、そう、友達にならないかって──そういう話なんだけど」
引用元:探偵はもう、死んでいる。の一部抜粋
斎川唯との戦闘シーンでの一コマなのですが、緊迫した展開なのに、何気なく救いのある言葉を紡げる素晴らしさ。
シエスタや君塚君彦ならば、斎川唯を救うことができなかっただろうなと思うと、夏凪渚の言葉は凄さを感じる。
「この命を貰ったことには、必ず意味があるはずなんだ！シエスタが、あたしに託した意味が！だから、あたしがその遺産を見つけ出してみせる──この心臓に誓って！」
引用元:探偵はもう、死んでいる。の一部抜粋
シャーロット・有坂・アンダーソンに言われた「ごっこ遊び」に対しての夏凪渚の返しも素晴らしい。
何者でもなかった自分に、何者かになるという意味を与えたシエスタに、敬意を感じる言葉。
言葉の素晴らしさを夏凪渚に教えられたように感じます。
「探偵はもう、死んでいる」は、コメディー要素もあり、会話のやり取りも楽しめます。
メインヒロインが不在でも、キャラがしっかりとして、ストーリー展開もアッと驚く仕掛けがあるから、楽しく読み進められた。
さいごに
2巻を読むのも楽しみの一つですが、アニメの方も楽しみです。
アニメは2021年7月4日に、AT-X・BS日テレ・TOKYO-MX他で、放送開始です。
初回1時間スペシャルでした。
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